概要

DRFダンパー (ダイス・ロッド式摩擦ダンパー)は、橋梁の橋脚と橋桁の間に設置する摩擦型の制震デバイスです。常時や中小地震には桁を固定する「固定機能」と大地震時には地震エネルギーを摩擦により熱エネルギーに変換する「エネルギー吸収機能」によって橋梁の耐震性能を向上させます。

特徴・メリット

  • 金属のみのシンプルな構造

    DRFダンパーは、ロッド(金属芯棒)とダイス(金属環)の金属同士の摩擦を活用した、シンプルでコンパクトな構造です。ロッドの外径をダイスの内径より若干大きくすることで、ロッドに締付力が発生し、地震時にロッドが押し引きされることで生じる摩擦力を利用したダンパーです。

    DRFダンパーの構造

  • 揺れに応じた三段階の機能

    ①中規模なレベル1地震時には、静止摩擦により上部構造の変位(揺れ)を固定するサイドブロックとして働き、一般的に固定条件とされる橋軸直角方向にも配置が可能となります。

    ②大規模なレベル2地震時には、上部構造の慣性力が最大静止摩擦力に達するとDRFダンパーが伸縮し、地震エネルギーを吸収する制震ダンパーとして働き、上部構造の揺れを抑制、下部構造の地震応答(損傷)を低減します。

    ③レベル2を超える地震時等上部構造の変位が想定を上回った場合には、ダンパーがストロークエンドに達して、落橋や隣接構造物との衝突を回避する変位制限構造として働きます。

  • 橋脚損傷を大幅低減する減衰性能

    橋梁の地震時挙動を再現した解析シミュレーションや振動台実験を行った結果、DRFダンパーを設置することにより、東北地方太平洋沖地震(H.23)や兵庫県南部地震(H.7)に相当するレベル2地震時に下部構造が受ける損傷を約60%低減できる等、優れた制震効果が確認されました。

    層間変位の時刻歴波形(19秒)

  • 下部構造の補強が困難な既設橋梁に有効

    DRFダンパーは、橋桁の直下に設置するため、下部構造(橋脚・基礎)を直接補強すること無く、下部構造の耐震性向上を実現します。そのため、橋脚基部が地中や河川に埋まっている場合や河川堤防や鉄道構造物と一体となっている場合等、下部構造の補強・補修工事が困難な既設橋梁の耐震補強に有効です。

  • 橋軸方向だけでなく橋軸直角方向にも有効

    DRFダンパーは、レベル 2 地震時のダンパー機能にレベル 1 地震時の固定機能と合わせ持つため、通常固定条件とされている「橋軸直角方向」にも適用することができます。

  • コンパクト(小型軽量)

    DRFダンパーは、部品数が少なく小型軽量で、製品ラインナップが豊富であるため設計の自由度が高く施工性に優れています。

  • 経年耐久性

    DRFダンパーは密閉構造の防触対策により20年以上メンテナンスフリーでの屋外暴露にも性能に経年の変化がないことを確認しました。

  • 繰り返し耐久性

    摺動による摩耗が少なく摩擦荷重の変化が小さいため、レベル2地震後も交換の必要なく橋梁の耐震性能を維持できます。

工法説明動画

  • 工法紹介動画(5分36秒)

リーフレット

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