日本ERI株式会社の構造性能評価を取得
杭頭免震構造研究会(※1)は、基礎免震構造の性能を保持したままで、物流倉庫を始め共同住宅等、多くの用途に適用でき、建設コストの削減・工期短縮が図れる「拡頭杭免震構法」を開発しました。また、設計・施工法をまとめ、日本ERI株式会社の構造性能評価(ERI-K15015)を2016年2月26日付けで取得しました。
なお本構法は、明治大学の小林正人教授の御指導により行った研究開発の成果です。
※1 当社、安藤ハザマ、東亜建設工業株式会社(代表会社)、西松建設株式会社、株式会社長谷工コーポレーション
拡頭杭免震構法の概要
本構法は、杭頭部の径を拡げた拡頭杭の頭部に直接免震部材を設置し、基礎免震構造における下部の基礎梁より薄い扁平な「つなぎ梁」で杭頭部を連結して免震層の一体化を図った基礎免震構法です。杭頭部を拡頭とすることで、杭頭に生じる回転角を抑制することが可能となります。また、基礎梁をつなぎ梁とすることで、基礎工事の簡略化が図れます。
従来の基礎免震構法と拡頭杭免震構法との比較
一般的な基礎免震構法
拡頭杭免震構法
拡頭杭免震構法の主な特徴
本構法は基礎梁をつなぎ梁とすることで、掘削土量の削減によるコストダウンや工期短縮が図れることが主な特徴ですが、その他にも様々なメリットを有しています。
- 基礎免震構造と同等の免震効果が得られます。
- 建設コストの削減が図れます。
- 建物の用途や規模、構造種別に制限はありません。
- 拡頭部の大きさを調節することで、経済的で効率的な設計が可能です。
- 時刻歴応答解析を用いない告示免震による設計法も選択可能です。