降伏変位の増大と座屈拘束効果を有する新しい耐震部材

技術説明動画(8分58秒)

折返しブレースの設置状況折返しブレースの設置状況

折返しブレースの特徴

折返しブレースは、断面の異なる3本の鋼材(芯材、中鋼管、外鋼管)を一筆書きの要領で折返して接合することにより、実際の部材長さ(3L)が見かけの部材長さ(L)の約3倍となっています。

1. 軸降伏変位の増大効果

ブレースの軸降伏変位は、降伏ひずみと部材長さの積であるため、部材長さが約3倍となれば、軸降伏変位も約3倍に増大します。

2. 座屈拘束効果

芯材(圧縮材)の座屈を、隣り合う中鋼管(引張材)が拘束するため、折返しブレースは座屈しません。(種別BAとして設計できる)

 

折返しブレースの概念図
折返しブレースの概念図

軸力-軸変位関係
軸力-軸変位関係

実大実験により構造性能を確認

実大実験

設計例(5階建て鉄骨造)

  1. ブレース配置の自由度が向上(少量、偏在配置が可能)
  2. 純ラーメン構造と比較し、使用鋼材量を約20%削減

使用鋼材量の比較使用鋼材量の比較

伏図伏図

軸組図軸組図

日本ERI株式会社の構造性能評価を取得

鉄骨造建物に用いられる一般のブレース構造は、純ラーメン構造に比べて耐震性や経済性に優れる構造です。しかしながら、用途や外観が優先されることによって、ブレースを少量しか配置できない場合やバランスよく配置できない場合には、純ラーメン構造を採用せざるを得ませんでした。これらの問題を解消するために、当社は軸降伏変位の増大効果と座屈拘束効果を有する変形性能に優れた”折返しブレース”を開発し、日本ERI株式会社の構造性能評価(ERI-K12009)を取得しました。折返しブレースを用いることによってブレース配置の自由度が向上し、純ラーメン構造とせざるを得なかった建物に対してもブレース構造を採用できるようになります。

リーフレット

(2.5MB)画像をクリックするとページが開きます。

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