「床スラブによる拘束効果を考慮した鉄骨梁横座屈補剛工法」 の構造性能評価を取得

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 総合建設会社10社(奥村組(幹事)、青木あすなろ建設、淺沼組、北野建設、鴻池組、五洋建設、大日本土木、鉄建建設、東急建設、長谷工コーポレーション)から成る横補剛省略工法研究会は、共同で「床スラブによる拘束効果を考慮した鉄骨梁横座屈補剛工法」を開発し、日本ERI株式会社の構造性能評価(ERI-K21008)を取得しました。

 性能評価を取得した工法は、H形断面の鉄骨梁とシヤコネクタで連続的に結合されている床スラブによる拘束効果を利用して、鉄骨梁の横座屈補剛を行うものです。本工法を採用することで、従来必要であった横補剛材を省略することができます。

 今後は、各社において設計施工物件を主とした鉄骨造等の建物に本工法を適用することで、より合理的な設計・施工を目指してまいります。

 

【技術の概要】

  鉄骨造建物の大梁には主に H 形鋼を用いますが、強軸方向には高耐力を発揮する一方、弱軸方向には弱いために横座屈現象が生じやすいという弱点があります。そのため、横座屈を生じることなく大梁の耐力を十分に発揮するために横補剛材を設ける設計(保有耐力横補剛)が一般的ですが、鉄骨使用量や加工手間が多いといった問題点がありました。

 「床スラブによる鉄骨梁の横補剛効果」については、既往の研究等で既に知られているところではありますが、横補剛省略工法研究会ではこれらの知見に加えて解析によって床スラブによる横補剛効果を検証して設計指針を整備し、構造性能評価の取得に至りました。

 本技術では、鉄骨梁とシヤコネクタで連結された床スラブによる拘束効果を考慮することで、従来必要とした横補剛材を省略できることに加え、許容曲げ応力度を大梁スパンに応じて低減する必要がなく、許容引張応力度と同等として扱うことが可能となります。さらに、保有耐力横補剛された梁として扱うことができ、梁の終局曲げ強度を鉄骨梁の全塑性モーメントとすることができます。また、横補剛省略工法は従来必要であった部材を省略できることから、環境負荷低減にも貢献する技術と位置付けられます。

 

以上

 

【記事に関するお問合せ先】

青木あすなろ建設株式会社 技術研究所建築構造研究室

担当 : 諸沢 柾治(電話   029-877-1112